「自分には特技がない」
「特別なスキルなんて、選ばれた人だけが持つもの」
そんな風に考えてる人の多くは、「特技」というものを深く考え過ぎてはいないだろうか?
自分が気付いていないだけで、誰もが隠れた才能を待っている。
ただそのことに気が付く努力をするかしないかが、天才と凡人の分かれ道なのだ。
「そんなこと言っても、人より秀でた能力なんてないよ」
そう仰る方は、まず自分の長所を探してみるところから始めてみると良い。
特技とは
「特別な技」と書いて特技と呼ぶが、早い話が「人より抜きん出た技術」を持っているということだ。
「絵画コンクールで最優秀賞」「TOEIC 800点以上」「甲子園で優勝」など、輝かしい経歴を持っている人なら、自信を持って特技と言えるだろう。
しかし、そんな経歴を手にすることができるのは、ごく1部の限られた人間だけだ。
大抵の人は「絵画コンクールの選考に選ばれた」「TOEIC 600点以上」「甲子園に行った」位が、関の山ではないだろうか。
特技とは、他人と比較される中で具体的で且つ、目に見える結果を伴うものである。つまり、他人より特別に優れている、もしくは他の人は持っていないオンリーワンのスキルということだ。
長所とは
特技と混同されがちだが、「長けた所」と書く長所は、他の人より優れた能力のことだ。
「初対面の人ともすぐ打ち解けられる」「こつこつと真面目」「何事も前向きに取り組む」など、その人の人柄や特性を表すことが多い。
「特技」が具体的な事象であることに対して、「長所」はどちらかといえば抽象的な特性を表すことが多い。
特技と異なり「自分の長所はこうだ」と言える人が多いのはそういう理由だろう。
特技は、具体的な実績であったり他人からも認めてもらえる評価であるのに対して、長所は、主観的な自分の思い込みや客観的な他人の評価だけで形成されるので、誰でも持ち合わせている。
よく「自分の長所がわからない」と言う人に出会うことがあるが、長所は、どこまでいってもその人の特性であって、必ずしも「人より長けている」かどうかが問題ではなく、見る人の評価によって決まる曖昧なものだ。
つまり、見る人によっては長所にも短所にもなり得るのだ。
長所の見つけ方
「他の人より優れているところ」と言うと、つい気後れして「自分の長所はここです」とは、なかなか言いにくいものだ。
そんな時は、「人より優れている」とか「他の人は持っていない」なんて事は考えず、人と違うところを探してみると良い。
例えば、「声が高くて気持ちが悪い」であったり、「恋人も友達もいない」なんて、一見すると短所のように見えるものでも構わない。とにかく人と違う特性を見つけるのだ。
人と違う特性を見つけることができたら、それが長所であり極めれば特技となるのだ。
「声が高くて気持ちが悪い」のであれば、その特徴を生かして、アニメの声優であったりラジオのDJなんて道も開けるかもしれない。
「恋人や友達もいない」のであれば、そんな状況を活かして、顔出しのYouTuberやお笑い芸人になる道もある。
どんな特性であっても、それを長所として表現できるか短所として目を伏せるかは、その特性を生かせるかどうかに掛かっているのではないだろうか。
好きが高じてなんとやら
自分の特性(長所)が分かっても、嫌いなことには活かせない。
喋ること自体が嫌いであれば、アニメの声優にもラジオのDJにもなることはできないし、人に注目されたり笑われたりするのが嫌いであれば、YouTuberやお笑い芸人にもなることはできない。
反対に「3度の飯より好きなこと」があれば、人から欠点や短所と呼ばれても、それは特技にもなり得る。
例えば、食べることが好きな人であれば、大食い芸人やグルメリポーターを目指すこともできるし、朝起きるのが苦手でも夜が得意であれば、バーテンダーなど夜の世界で働いたり、夜勤専門の工場や警備等でも活躍できるだろう。
何事も極まれば一流。「自分には特技や長所なんて一切ない」そう思ってる人は、一度好きなことをとことんやり切ってみるのも良いかもしれない。